チェルノブイリの心臓部「ゾウの足」

(画像=画像は「YouTube」より)
この「汚染された爪」でさえ、チェルノブイリの本当の恐怖の前では、単なる序章に過ぎない。立入禁止区域の本当の震源地、その名は「ゾウの足」。これは、溶け落ちた核燃料とコンクリート、金属が混ざり合ってできた「コリウム」と呼ばれる物質の巨大な塊で、今もなお、石棺の奥深くで強烈な放射線と熱を放ち続けている。
「ゾウの足」は、地球上で最も放射能が強い物体とされ、その近くに防護服なしで立てば、わずか数分で死に至る。30秒の被ばくでさえ、細胞に回復不能なダメージを与え、5分もすれば致死量の放射線を浴びることになる。
事故から40年近くが経過した今もなお、チェルノブイリの石棺の奥深くでは、この静かなる怪物が眠っている。そして、森の中に放置された「汚染された爪」は、その計り知れない破壊の力を、より身近な形で我々に物語っているのだ。
一枚の無邪気な観光写真。その背後には、目には見えない、しかし確実に存在する、死の脅威が潜んでいるのである。
参考:Misterios do Mundo、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。