ではどうして、これほど深い部分まで削り取られたのか。

これについてはまだ解明されておらず、今後の大きな課題となっています。

幸い、近年はZTFのように広範囲を高頻度で観測するプロジェクトが次々と始まっています。

さらに南米チリに建設された「ベラ・ルービン天文台」の大規模探査計画(LSST)が本格稼働すれば、SN 2021yfjのように短期間で暗くなってしまう特殊な超新星も、次々と捕らえられるでしょう。

その結果、「骨まで剥き出し」になる進化経路がどれほど珍しいのか、またその背後にどんな物理現象が隠れているのか、統計的に解き明かされる日が来ると期待されています。

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参考文献

「骨」まで剥き出しになった超新星―宇宙で稀に見る爆発、元素工場の直接的証拠―
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2025-08-22

元論文

Extremely stripped supernova reveals a silicon and sulfur formation site
https://doi.org/10.1038/s41586-025-09375-3

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部