この年の湘南は最終的に16位に沈み、J1参入プレーオフに回ることとなった。徳島ヴォルティスとの一戦を引き分けで終え辛うじてJ1残留を果たしたものの、前年のカップ戦制覇の華やかさとは対照的に、苦しい一年を強いられた。

柏レイソル(2012年)
2012年度の天皇杯を制した柏レイソルは、クラブにとって貴重な国内主要カップ戦のタイトルを獲得した。2011年にJ1初優勝を成し遂げてからわずか1年後の快挙であり、当時のネルシーニョ監督下で構築された攻撃的かつ堅実なスタイルが結果として結実したシーズンでもあった。
特にMFレアンドロ・ドミンゲス(2010-2014)やMFジョルジ・ワグネル(2011-2013)、FW田中順也(2009-2014)らが躍動し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を手にするなど、クラブは全国的な注目を集めた。
しかし翌2013年は状況が一変。リーグ戦では序盤から勝ち点を積み上げられず、上位争いに加わることができなかった。過密日程や主力選手のコンディション不良、さらには対戦相手の徹底した対策も影響し、勝ち切れない試合が続いた結果、最終順位は10位に終わった。タイトルホルダーとしては物足りない成績で、リーグ戦における停滞感が色濃く残るシーズンとなった。
一方で、カップ戦では勝負強さを発揮。2013年のヤマザキナビスコカップ(現ルヴァン杯)では粘り強い戦いを続け、見事頂点にたどり着いた。このタイトルは、2011年のJ1優勝、2012年の天皇杯制覇に続くもので、柏が「大会ごとに勝ち進む力」を持つクラブであることを示した。リーグ戦で苦しみながらもカップ戦で成功を収めるという独特のシーズンは、柏の多面的な強さと課題を同時に映し出した。
