実は第4位でようやく「カンガルー」が登場します。

2001年から2021年の間に53件の死亡事故がありましたが、そのすべてが交通事故によるものでした。

さらに第5位に「ヘビ」が50件、第6位に「ハチ」が45件(すべてアナフィラキシーによるもので、おそらく外来種)、第7位に「サメ」が39件、そして第8位に「イリエワニ」が25件と続きます。

一方で、世界的に猛毒で知られる猛毒を持つシドニージョウゴグモなどによる死亡例は、この20年間で1件も記録されていません。

実際、抗毒素が導入された1981年以降、クモ咬傷による死者はゼロとなっています。

つまり、オーストラリアの「危険生物」というイメージは必ずしも死亡リスクの高さとは一致していないのです。

本当に危険なのは「身近な存在」

この調査は、アメリカとの比較でも興味深い結果を示しています。

米国では年間平均267件の動物関連死が報告されていますが、最多はハチやスズメバチによる死亡(31%)。

続いて「その他の哺乳類」(馬や牛、家畜など)が28.6%、犬が26.2%と続きます。

結局のところ、人間にとって最も危険な動物とは、獰猛な肉食獣や毒生物ではなく、私たちが日常的に接する動物や、アレルギー反応を引き起こす生き物なのです。

「恐ろしい毒ヘビよりも、牧場の馬や牛の方が命の危険が高い」──これは多くの人にとって意外な事実でしょう。

けれども、身近な存在だからこそ油断が生じやすく、それが最終的に命に関わるリスクとなって現れるのです。

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参考文献

Deadliest Animal in Australia Revealed, And It’s a Big Surprise
https://www.sciencealert.com/deadliest-animal-in-australia-revealed-and-its-a-big-surprise