「本物のフィルムは存在する」―消えぬ謎
2006年、サンティリと共同制作者はついに、この映像が偽物であることを認めた。しかし、彼らは奇妙な主張を崩さなかった。「これは、1992年に我々が見た本物のフィルムを“復元”したものだ」と。
もちろん、その「本物のフィルム」の存在を証明するものは、これまで何一つ提示されていない。「本物の宇宙人解剖フィルムなど、存在したためしがない」と研究家のマントルは断言する。
しかし、なぜ制作者は、わざわざ「本物のフィルムが存在する」などという、火に油を注ぐような嘘を重ねる必要があったのだろうか。この一点が、このデマ事件を単なる悪戯以上の、深い謎へと昇華させている。

ロズウェル事件の真相と、再燃するUFOフィーバー
一方、宇宙人解剖フィルムの舞台となった「ロズウェル事件」そのものも、未だ多くの謎に包まれている。米政府は一貫して「墜落したのは気象観測気球だ」と主張しているが、近年、その公式見解を覆すような証言が相次いでいる。
政府のUFO研究計画に携わった物理学者のハル・パットオフ博士は最近、「軍はロズウェル事件で墜落したUFOを回収しただけでなく、少なくとも10機は同様の機体を保有している」と暴露。彼の同僚は、ロズウェルの残骸が運ばれたとされる空軍基地の司令官から、UFOの墜落が事実であったとの証言を得ているという。
議会も動く――真実は暴かれるのか
「宇宙人解剖フィルム」の騒動から30年。ペルーで発見された「3本指のミイラ」など、新たな“宇宙人”の話題が世間を賑わせ、UFOに対する関心は再び熱を帯びている。
この流れを受け、米国議会もついに重い腰を上げた。トランプ政権は、アンナ・パウリナ・ルナ下院議員に対し、長年にわたる地球外生命体との遭遇に関する多くの主張を調査し、発見された証拠を機密解除するよう指示したのだ。
世界を騙したあの白黒フィルム。それは単なるデマだったのか、それとも我々がまだ知らない恐るべき真実への入り口だったのか。30年の時を超え、その答えが明らかになる日は近いのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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