
(画像=画像は「Daily Mail Online」より)
1995年、世界は18分間の白黒フィルムに釘付けになった。防護服に身を包んだ3人の男が、大きな頭と黒い目を持つヒューマノイドを解剖していく――。1947年の「ロズウェル事件」で回収された宇宙人の死体だというこの映像は、テレビで世界中に放映され、UFOや政府の隠蔽工作に関する憶測の炎に油を注いだ。
しかし数年後、この衝撃的な映像が、実はロンドンのアパートで撮影された精巧なデマであったことが制作者によって明かされる。だが、物語はそれで終わらなかった。制作者の一人が、「この偽フィルムは、本物の宇宙人解剖フィルムを元に再現したものだ」と、新たな謎を投下したのだ。
動物の内臓とプラスチックで作られた“宇宙人”
この「宇宙人解剖フィルム」を世に送り出したのは、イギリスの起業家レイ・サンティリだ。彼は「引退した米軍のカメラマンから入手した」と主張したが、フィルムの劣化が激しいため、「再構成」したと説明した。
しかし、その実態は、映画監督スパイロス・メラリスが主導した、完全な創作物だった。UFO研究家のフィリップ・マントルが著書で明らかにしたところによれば、メラリスは精巧な絵コンテを用意し、動物の内臓やプラスチックの鋳型を使って“宇宙人”の死体を制作。さらには、UFOのコントロールパネルや未知の言語が書かれた金属片、地球外生命体の臓器といった小道具まで作り込み、この壮大なデマを演出したのだ。

(画像=画像は「Daily Mail Online」より)