その一つの理由は味付けにポイントがあります。私はカフェ経営もしたし、アメリカでレストランの管理業務もしていたし、学生時代はレストランの厨房で3年間もバイトしたので一定の理解があります。それは「外食は味が濃い」であります。味覚は強い味で麻痺させることにより「おいしい」と思わせるパタンが多いのです。特に私が恐ろしいと思ったのはデザート系で、使う砂糖の量を知っている人ならどれだけおいしそうなケーキでも食べられないだろうな、と思います。

当地ではお付き合いもあるので外食は週に数回はあります。基本的には旨いと思うことはあまりなく、あくまでも人との会話のお供という位置づけであります。先日もあるフレンチレストランに行き、素敵な店構えで、サーバーが恭しく給仕してくれたのはいいですが、これで一人1万円かとおもうと寂しいものを感じてしまいました。

私はカナダでの外食は割り切ることにしています。では日本ならどこでもよいのか、というと実は私は池袋が本拠地になるのですが、いちいち丹念に事前調査をしないので当たりの確率は半分以下。長くやっている店は安定した旨さがあるのですが、新規店では失敗率がやや大きいようです。

日本に行くカナダ人に「どこで食べたらよいのか?」と聞かれるので最近は「デパートの上のレストラン街が穴場」と言っています。観光ガイドにはデパートのレストラン街はあまり出てこないし、そもそもデパートのレストランという存在がほぼ意識の中にない外国人にはサプライズの領域であり、一様に驚かれます。デパ地下もいいけれどデパ上もお勧めなのであります。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月24日の記事より転載させていただきました。