人間の体からはさまざまな音が出るもので、オナラやゲップ、クシャミ、鼻づまりなどは一般的です。
しかしごく稀に、想像もできない部位から変な音が鳴ることがあります。
この奇妙な症状は、米国オハイオ州に住む72歳の男性から報告されました。
彼は「陰嚢(いんのう:睾丸を包む袋)」から「口笛のような音」が鳴ると申告したのです。
この奇妙な症状については、2022年6月7日付で学術雑誌『American Journal of Case Reports』に報告されています。
目次
- 陰嚢から口笛!? 奇妙な部位から音がする原因とは?
陰嚢から口笛!? 奇妙な部位から音がする原因とは?
米国の72歳の男性は、精巣に細菌が入って炎症を引き起こしたため、陰嚢を切開して膿を排出する手術を受けました。
しかしながら、しばらくすると再びその男性が来院。

なんと、「陰嚢から口笛のような音がする」と相談してきたのです。
合わせて、「最近息切れしやすく、呼吸しづらい」という症状も訴えていました。
なぜ陰茎から口笛が聴こえてきたのでしょうか?
検査の結果、その原因が明らかになりました。
まず男性は「気胸(ききょう)」のような状態にありました。
これは何らかの原因で肺の空気が肺の外に漏れ出すという症状です。

放っておけば胸壁内にたまった空気が肺を圧迫することで、呼吸困難に陥ることもあります。
ところが今回のケースは、単なる気胸ではありませんでした。
なぜなら男性は、胸壁の内側だけでなく、腹部や会陰(えいん:陰嚢の後方から肛門までの間)、陰嚢にまで空気がたまっていたからです。
簡単に言うと、「男性の胴体は空気でいっぱいだった」のです。
そして、ここから男性の奇妙な症状の原因が明らかとなります。