本研究の成果は、チームの新仮説に重みを説得力を与える一方で、すべてを説明したことにはなりません。
集合知の拡大のほかに、氷河期以降の食生活の変化や体の小型化が関係している可能性もあります。
たとえば、「ベルクマンの法則」が示すように、寒い地域に住む動物(ヒトも含む)ほど、体は大きく太くなり、熱い地域に住む動物ほど、体は小さく細くなります。
つまり、氷河期が終わって地球が温かくなるにつれ、ヒトの体が小さくなり、それに応じて脳容積も縮んだのかもしれません。
今回の結果は、脳サイズをめぐる謎を完全に解明するものではないですが、その一因として興味深いモデルを提示しました。
研究チームは今後、仮説の実証を目指して、調査を続ける予定です。
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参考文献
Ants Could Help Explain Why Our Brains Mysteriously Shrank Thousands of Years Ago
https://www.sciencealert.com/ants-could-help-explain-why-our-brains-mysteriously-shrank-thousands-of-years-ago
When and why did human brains decrease in size 3,000 years ago? Ants may hold clues
https://phys.org/news/2021-10-human-brains-decrease-size-years.html
元論文
When and Why Did Human Brains Decrease in Size? A New Change-Point Analysis and Insights From Brain Evolution in Ants
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fevo.2021.742639/full