意外かもしれませんが、不安・怒り・悲しみといった強い感情は、「柔軟性」を引き出すためのチャンスでもあります。
たとえば、長年不安を抱えてきた人が、ある出来事をきっかけに「今こそカウンセリングを受けよう」と一歩踏み出す。
このように、感情のピーク時には、「変わりたい」という強い動機が生まれやすいのです。
ただし、そのモチベーションは時間と共に弱まるため、感情に火がついたタイミングで「習慣化」につなげることが重要です。
5. 「自分らしさ」の定義を見直す
最後のポイントは、アイデンティティ(自分らしさ)との関係です。
「自分はこういう人間だから」「私は昔からこうしてきた」
そんな自己イメージが、実は柔軟な対応を妨げているかもしれません。
もし「自分は厳格な人間だ」と考えているなら、そのイメージに合わないアプローチを拒否してしまうかもしれません。
逆に「自分は型破りな人間だ」と考えているなら、型通りのアドバイスを拒否してしまうかもしれません。
そこで自分の考える「自分らしさ」が、自分を縛っていないか考えてみることは大切です。
誰かのアドバイスを受け入れられないのは、「そのアドバイスは効果がない」と感じているのか、それとも「自分の受け止め方に何か問題があるのか」自問自答してみる必要があるのです。
このように、「より良い自分になるための選択肢」として新しいアプローチを受け入れることが、柔軟性を育むための本質です。
ここまでで頑固さを克服する5つのアプローチを考慮しました。
紹介した5つの方法は、どれも「自分の意志を保ちつつ、新しい可能性に心を開く」ための具体的な手段です。
柔軟であることは、決して流されることではありません。
それは、多様な選択肢の中から、自分に最も合った道を選べる自由を意味しています。
人生という大海原を渡る中で、風向きが変わったときに帆をたたまず、進路を柔らかく変えられること。