アマゾンのジェフ・ベゾス氏が新しい奥さんとの70億円規模の結婚式をイタリアのベネチアで行ったことに地元から猛反発があったと報じられています。何が不満かと言えば越えられないギャップなのだと思います。欧米では様々な民が共生するのですが、そこには双方が譲歩できる一定の範囲があり微妙なバランスを取っています。ところが世界の富豪がプライベートジェットで集まり、大金をかけ、豪勢に開催する結婚式のイベントは地元と共生することが全くなかったわけです。単にベネチアという風光明媚で聞こえが良い場所を選んだだけでは双方の個の尊重は生まれません。それこそ70億円のうちの1億円でも地元に貢献でもすれば話は変わってきたのに、と思います。

「もし結婚式のためにベネチアを貸し切れるのなら、もっと税金を払えるはずだ」
上から目線というのはむしろ欧米の雇用者と労働者との対立関係が基本であり歴史だと思います。日本では上から目線的なケースは確かに存在するのですが、ごく一部に留まっています。金銭や資産的差は誰でもある訳ですが、日本人の場合、根本思想に欧米のような「金に任せたライフ」を送る人はほんの一握りです。私の周りの日本人にもそのような方はいますが、例外的であり、場合によっては大して持ってもいないのにそんなにブイブイ言わせてどうするの?という方もいらっしゃいます。
ひと昔前までは日本の会社にお伺いすると応接室でスタッフの女性がお茶を出してくれたのですが、ひざまずいて出してくれたところが人生で4-5か所ぐらいあったと思います。ある意味、お茶を出された私があきれるほど異様でそういう経営者とは私はお付き合いできませんでした。経営者は完全に勘違いをしているわけです。
日本の場合、上から見ても何も見えないと思います。なぜならバンクーバーの近郊の山から見えるように高層ビル街が一角に見えることはなく、とても均一でフラットな社会であるからです。よって上から見る必要もなく、むしろ、フラットな社会に入り込むことでより理解が進むのだと思います。