もっとも、本研究は実験課題中の傾向と日常の自己申告を関連づけた相関的な分析であるため、因果関係の厳密な証明には今後の追試が必要です。

研究者らも、マインドワンダリングの直後に気分がどう変化するかを追跡することでお互いの因果関係を明らかにしていく必要があると述べています。

いずれにせよ、「つい考え事をしてしまう」癖とうまく付き合っていくことは、心の健康のために重要だと言えそうです。

もし何か作業中に頭の中で考えがぐるぐる回り出したら、「あ、今ぐるぐるしてるぞ」といち早く自覚してみてください。

そしてその負のサイクルを断ち切るよう意識したり、あるいは逆に意図的に別の楽しい想像をしてみたりと、上手にマインドワンダリングをコントロールすることで、知らず知らず自己否定に陥るのを防ぐ一助になるでしょう。

日常の中で自分の心の動きをそっと観察し、負のループにハマり始めたら意識的に抜け出す――そんな風に心との付き合い方を見直すことが、私たちのメンタルヘルス向上につながるかもしれません。

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参考文献

いつの間にか自己否定─意図しない考え事が不安や抑うつにつながる仕組み─
https://www.waseda.jp/inst/research/news/81642

元論文

The chain mediation effect of rumination and worry between the intentionality and content dimensions of mind wandering and internalizing symptoms of depression and anxiety
https://doi.org/10.1038/s41598-025-99249-5

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。