興味深いのは、意図的なマインドワンダリングについては、これらの悪影響が見られなかったどころか、むしろ「心配」を減らす方向に働く可能性が示された点です。
つまり、自分の意志で未来を具体的に想像したり、ポジティブな思考に意識的に向けたりすることは、むしろ心の健康にプラスに働く可能性があるということです。
意図せぬ「ぼんやり思考」があなた自身を責めていた
今回の研究は、日常のなにげない「ぼんやりとした思考」が、気づかぬうちに私たち自身を追い詰めるメカニズムを明らかにしました。
それは単に集中力が途切れていたのではなく、自己否定のきっかけとなる心の自動運転だったのです。
もしあなたが最近、理由もなく不安や落ち込みを感じているなら、その背後には「ネガティブで未来的で曖昧な考えごと」が潜んでいるかもしれません。
そんなときは、自分がどんな思考にとらわれていたのかに気づき、「これは反すうかも」「これは心配しすぎかも」とラベルを貼って手放すことが大切です。
そして、意図的にポジティブな未来を思い描く時間を持つことも、自己否定のループを断ち切る第一歩になるのです。
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参考文献
いつの間にか自己否定─意図しない考え事が不安や抑うつにつながる仕組み─
https://www.waseda.jp/inst/research/news/81642
元論文
The chain mediation effect of rumination and worry between the intentionality and content dimensions of mind wandering and internalizing symptoms of depression and anxiety
https://doi.org/10.1038/s41598-025-99249-5
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。