秋になると食卓に並ぶことも多い、お馴染みのサンマ。あの細長い姿は見慣れていますが、海の中を泳いでいるサンマがどのような動きをしているか、想像したことはありますか?実は、あのスリムな体には、<速く泳ぐための工夫>と<ちょっと意外な泳ぎ方の秘密>が隠されているんです。

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『サンマ』を水族館であまり見ないワケ 胃がないからエサやりが難しい?

サンマの形

サンマの形は、アジやタイと比べると、ずいぶん細長くて、スラッとしていますよね。

これは、水の中を進むときの抵抗をできるだけ少なくして、スピーディーに泳ぐために進化した姿だと考えられています。

ヒレなどの出っ張りも少ないので、まっすぐ泳ぐのが得意なんですね。

『サンマ』を水族館であまり見ないワケ 胃がないからエサやりが難しい?サンマ(提供:おっしー)

2つ泳ぎ方を使い分ける

スーパーではよく見かけるサンマですが、海での泳ぎ方はあまり知られていないかもしれません。実は、サンマはふたつの泳ぎ方を使い分けているんです。

まっすぐ進む

ひとつは、他の多くの魚と同じように、尾びれを左右に振って、まっすぐ進む泳ぎ方。スリムな体のおかげもあってか、この泳ぎ方でも結構速いようです。

くねらせて泳ぐ

そして、もうひとつが、ちょっと意外な泳ぎ方。なんと、ウナギのように体全体を「くねくね」と、しなやかにくねらせて泳ぐんです。この泳ぎ方だと、細かい方向転換も得意。特に、エサを探したり食べたりする時に、この「くねくね泳法」が活躍するんだとか。

速く泳ぐためにヒレを小さくしたサンマが、体全体を使って巧みに方向転換するなんて、面白いですよね。

群れで生活する魚でこんな風に体全体をくねらせて泳ぐのは、かなり珍しいそうです。いっせいにクネクネ泳いでいるところを想像すると、ちょっと不思議な光景ですね。

逃げる時はジャンプ?

さらに驚くことに、サンマは実はトビウオの仲間なのです。

だから、ジャンプもお手の物。マグロのような天敵に襲われると、びっくりして水面から飛び出し、空中をピョンピョンと跳ねて逃げることがあるそうです。

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