鯖の大きな特徴である「鯖柄」は、なぜあの模様なのでしょうか。
青色の背中と縞模様は、海上から見たときに、波の模様に紛れやすくなります。空から鯖を狙っている海鳥から身を守るために、擬態をしているんですね。
お腹の白い色は、海面を見上げた際の太陽光に隠れやすくなり、他の魚から捕食されにくくなる効果があります。
美しい「鯖柄」は、天敵から身を守るためのすべとして役立っているんですね。

鯖読みの由来
「サバを読む」とは、自分の都合に合わせて数を増やしたり減らしたりしてごまかすことです。
昔の魚屋は桶に1匹ずつ魚を入れて売る数を数えていましたが、サバは痛みやすい魚であるため、急いで売りさばくために大雑把に数えていた、というのが由来という説があるようです。
そのほかにも、早口で小魚を数える魚市読み(いさばよみ)が転じたという説もあります。
「天狗」と「鯖」の不思議な関係
鯖にまつわる奇妙な豆知識をひとつご紹介しましょう。
山に出る妖怪として有名な天狗は、実は鯖が嫌いという話があります。

天狗が鯖を嫌う理由は不明ですが、人がさらわれたときは、「鯖食った◯◯はおらんか」や「鯖くさ◯◯へ」と声をかけながら探すと、天狗が人を置いていくそうです。
強そうに見える天狗ですが、鯖という身近なものを苦手とするとは、意外な一面がありますね。
知れば知るほど面白い身近な魚
相撲の決め手の1つに「鯖折り」というものがあります。これは鯖の鮮度を保つために首の骨を折って血抜きをしていた様子になぞらえ、名付けられたそうです。
ほかにも、鮮度に由来するものとして「鯖の生き腐れ」などがあります。
鯖は古くから日本人に食べられてきたこともあり、調べると多くの言葉の語源や、生活の知識が見つかる魚です。
鯖の由来から模様の秘密、意外な豆知識を紹介しました。古くから日本人の暮らしに関わってきた鯖は、様々な言葉や知識に関わっているんですね。