奇跡と科学の“奇妙な一致”

 この「魚の大量死」こそが、イエスの奇跡の鍵を握っていた可能性がある。

 水面に大量の魚が浮かび上がれば、弟子たちが「奇跡的な漁」を経験するのは、もはや必然だったのかもしれない。同様に、簡単に手に入る大量の魚があれば、「パンと魚の奇跡」で5000人を養うことも、決して不可能ではなかっただろう。

 さらに驚くべきことに、研究者たちは3Dモデリングを用いて、この現象が起こりやすい時期を特定した。それは、水温が急激に変化する「春の終わりから初夏」にかけて。そして、4つの福音書すべてに記録されている「パンと魚の奇跡」が起きたとされるのも、まさにこの時期なのである。

イエス・キリストの“奇跡”は実話だった? 聖書の「パンと魚」の謎、ついに科学が証明かの画像2
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))

信仰は科学に証明されたのか

 もちろん、この研究がイエス・キリストの神性を証明するものではない。しかし、2000年以上も前に書かれた聖書の記述が、最新の科学的知見と奇妙なほど一致する事実は、我々に多くのことを問いかける。

 古代の人々が「奇跡」と呼んだ出来事の裏には、我々がまだ知らない自然の法則が隠されていたのかもしれない。信仰と科学が交差するこの発見は、古代の物語に新たな光を当て、その深遠な謎をさらに魅力的なものにしている。

参考:Express.co.uk、ほか

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