ただし、すべての仕事がAIに置き換わるわけではありません。経験や判断が必要な暗黙知に基づくスキルはAIが完全に代替できず、建築の施工管理や大工、ロボティクス開発などの分野ではむしろ人手不足が目立ちます。

一方、日本では中高年の雇用を守る仕組みが強いため、AIで置き換え可能な中高年ホワイトカラーが解雇されにくく、その分、新卒採用が抑えられる傾向があります。結果として、日本の若者は米国以上に厳しい就職環境に直面する恐れがあります。

企業は新卒採用をリスクとみなし、非正規雇用に切り替える可能性が高いのです。さらに日本はAIの活用度や計算能力でも主要国に大きく遅れをとっており、この遅れが競争力低下を加速させる危険性もあります。