米国では、いま大卒の若者が「就職氷河期」のような厳しい状況に直面しています。特にIT大手を中心に採用が冷え込み、さらに生成AIが新卒社員の仕事を代替し始めたことで、せっかく高いスキルを身につけても就職先を見つけにくくなっています。

参照:米国の大卒、「就職氷河期」 AIが新人の仕事代替

コロナ禍以降、大卒者の失業率は労働人口全体より高くなり、その差は過去最大に広がりました。とりわけコンピューターサイエンスや工学を学んだ人の失業率は高く、これまで「就職に強い」とされてきた学位の価値が揺らいでいます。

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背景にはAIの急速な発達があり、プログラミングや定型業務といった新卒が担ってきた仕事の多くがAIで代替できるようになったことが大きいです。企業も経済や政策の不透明さから採用を控えており、新卒の雇用環境はさらに厳しくなっています。

こうした変化は大学の存在意義にも影響しています。かつては高い授業料を払って学位を得れば、高給や安定した職に結びつくと考えられてきましたが、いまではその保証が崩れつつあります。