右岸、それとも左岸?
ちなみに右岸とはヅウタ橋から見て右側のエリアで左岸はその逆側。通常、左岸に入るのが通例だが……。
吉田康雄
「右岸にします」

吉田は右岸のボサとボサの間に舟を滑り込ませた。その理由は?
吉田康雄
「うーん……何となくです。ダメでしょうか?」
ダメも何もないよ。吉田が決めたのだから、そこで頑張ってくれよ。
ボサがあって並びだと吉田の表情がうかがい知れないし写真も撮りづらいので、記者は対岸の正面に着舟し吉田の一挙手一投足を見守る。
吉田康雄
「とか何とか言っちゃって、さっそく釣る体勢ですよね(笑)」
ウキに変化なし
15尺竿を継ぎタナ1本半からスタート。時刻は6時20分。まずは黙々とエサを打ち魚を寄せる。
吉田康雄
「エサで寄ってくる魚ならいいのですが」
通常ならエサを打てば大抵の釣り場は魚が寄りウキに触りが出始め、やがてアタリが出る。しかし大型釣り場の場合は、どんなにエサを打とうが微動だにしないことが多く、予定どおりにはいかないことのほうが多い。

今回の吉田はまさにそれに該当し、打てども打てどもウキにこれといった変化は現れなかった。
いや正確に言えばウキはかすかに動いていたらしい。しかしヘラと呼べるような触りではなく、おそらくはジャミだろうとこと。
実のところ、ここ数日の片倉ダムは、どこに入ってもこのような状況が続いていた。弱い触りがずっと続くわりに、いつまでたっても決めアタリが出ない。これがもしヘラなら、たとえばタナをウキ1本分動かした直後にズバッと入ることがあるが、今回に関してはこれも通用せず常連も困り果てていた。
果たしてウキを動かしている正体はヘラか?
次回も「3年目の挑戦in片倉ダム」です。