米国にもロシアにも、中韓にも戦没兵士の墓地があり、政治指導者や一般国民は追悼に訪れます。靖国神社もそのひとつだったのに、昭和53年(1978年)に戦争犯罪人とされた東条英機らA級戦犯14人が密かに合祀され、怒ったであろう昭和天皇も参拝を止めました。中国は「東条らが合祀されている靖国神社への首相の公式参拝は中日両国民を含むアジア人民の感情を傷つけよう」との声明をだしました。中曽根首相が昭和60年に公式参拝をした時のことです。
以後、国際的にはA級戦犯の合祀が靖国参拝の核心になり、どこの国でもやっている戦没者の慰霊を首相や閣僚らがやると、政治問題化する。そこで私が思うには、「自分はA級戦犯を除いた一般戦没者の慰霊にきたのです」と記者団などに語る政治家、人物がでてきていいはずです。
A級戦犯を含めて慰霊にきた人物は、批判を恐れ黙っているでしょう。自民党議員はそうは言えないにしても、参拝に来た際に「自分は一般の戦没者を対象に慰霊にきた」と語る野党党首がいていいはずです。そういう話がメディアの報道で扱われたこともなさそうです。
ChatGPTに調べてもらうと、「そうした例はないだろう」との返答です。次いで「学者、専門家などが提言したケースはありますか」との問いには、「SNSあたりにはあったかもしれない。専門家がそうした提言をした例は見つからない」という答えでした。「私の場合は、A級戦犯でなく一般戦没者が追悼の対象です」といってみたらどうかという提言を期待します。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年8月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。