赤く膨らんだ花托は、ツブツブの痩果を保護するクッションの役割があり、痩果がたくさんある植物ほど花托が大きく成長することが分かっています。

研究者によれば、痩果の中の種子が「オーキシン」という化学物質を放出しており、これが花托を肥大させる作用を持つという。

果実はそもそも、動物たちにそれを食べてもらって、その中の種子を遠くに散布してもらうことを目的としています。

そこで植物たちは、自分たちの果肉を食べてもらうために、色や味、匂い、大きさなどを様々に工夫しなければなりません。

イチゴも小さくて見えない種子を食べてもらうために、赤く大きな花托をつけるのでこれを果実と私達が認識することが間違いとはいえないでしょう。

イチゴが愛らしく美味しい植物であることに変わりありませんが、こんなこと初めて知ったという人は、今度イチゴを見るとき、ちょっと気分が変わるかもしれません。

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参考文献

Are strawberries berries? Uhm, not really. But bananas are berries, and it gets weirder
https://www.zmescience.com/other/feature-post/are-strawberries-berries-uhm-not-really-but-bananas-are-berries-and-it-gets-weirder/

ライター

大石航樹: 愛媛県生まれ。大学で福岡に移り、大学院ではフランス哲学を学びました。 他に、生物学や歴史学が好きで、本サイトでは主に、動植物や歴史・考古学系の記事を担当しています。 趣味は映画鑑賞で、月に30〜40本観ることも。

編集者

ナゾロジー 編集部