ロシアの企業がロシアの金でウクライナを復興して、ウクライナの人々の信頼を取り戻せばよいことだ。ウクライナは16世紀ごろからポーランド、ドイツ、スウェーデンの口車に乗ってロシアと戦い、後で後悔してきた。出来の悪いリメイク映画を我々は見ているだけだ。
それでは法的正義がどうとかいう人がいるが、現実的妥当性を欠く目標はいかに法的に正しくとも好ましい結論ではない。
日本の終戦とウクライナを重ねたがる人がいるが、私のみるところ、この戦争の難しさは法的正義と実態的正義がかけ離れていることだ。
いわばNATOやEUに入りたがっているウクライナは、満洲国だ。ロシアの喉元に欧米の衛星国家をつくるのは無理がある。しかし、ロシアの侵攻は盧溝橋事件以降の日本軍の華北派兵と同じく国際法違反。このねじれが事態を複雑化している。
あるいは地上げ事件で言えば、自宅のまわりの土地を買い占められて追い込まれた側が、出口を求めて実力行使に出たようなもの。実力行使は違法だが、えげつない地上げが正当化されるべきでもない。
しょせんは、誰にとっても苦い解決しか存在しない。
追記:ニューヨーク・タイムズに続いてAFPも配信した。ドネツクとルガンスクはロシアに、その他は現状凍結で平和が訪れるのであれば、それでよいのではないか。塘沽停戦協定のようなもので、互いに我慢できるぎりぎりの線だ。このチャンスを逃したら、世界大戦のリスクが高まる。ザポリージャをウクライナに渡すことが、ゼレンスキー大統領の面子を保つための代償となるかもしれない。石破氏は、ゼレンスキー大統領やヨーロッパ首脳に対し、塘沽停戦協定で戦争を止められなかったことを昭和天皇がいかに悔いていたかを説くべきだ。
※塘沽(とうこ/タンクー)停戦協定は、1933年5月31日に日本軍と中国国民党軍の間で締結された、満州事変を終結させるための軍事協定。
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