それでも、たった一つの種が変わらず2500万年も生き延びているのは驚くべきことでしょう。
続いての候補は、おそらく”生きた化石(living fossils)”と呼ばれる中で最も有名なシーラカンスです。

シーラカンスは1800年代に初めて化石が発見された古代魚で、その後の調査により、約3億6000万〜4億年前に出現し、約6600万年前に恐竜たちと共に絶滅したと考えられていました。
ところが1938年に、南アフリカ沖で漁師たちが生きたシーラカンスを引き上げたことで、生き残っていたことが判明したのです。
しかし彼らも化石上に見られる祖先とは違っています。
2010年に発表されたDNA研究では、今日存在するシーラカンスは約2000万〜3000万年前に出現した種であることが示されました。
そしてビッグ3の最後を飾るのは、カブトガニです。

カブトエビとよく混同されがちですが、両者は分類されるグループが違います。
「節足動物」という大枠では一緒ですが、その中でカブトエビはエビやカニと同じ「甲殻類」に分類され、カブトガニはクモやサソリと同じ「鋏角(きょうかく)類」に分類されます。
カブトガニ自体の起源は約4億8000万年前に遡りますが、こちらも科学雑誌『Molecular Phylogenetics and Evolution』に掲載された2012年の研究で、現存する最古のカブトガニは約2500万年前に生まれた種であることが判明しています。
よって専門家らは、単一の種として最も長く生きているのは、約2000万〜3000万年前に出現した「今日の」カブトエビやシーラカンス、カブトガニと見ています。
種より大きなグループとしてなら他にも、クラゲやオウムガイ、ハイギョやチョウザメ、カゲロウやトンボなど、数億年前に起源を持つ現生生物はたくさんいるでしょう。