さらに、夏の移籍市場での戦力補強も残留への大きなカギとなる。2023年の柏レイソルは、夏に浦和からDF犬飼智也を獲得。犬飼は加入後12試合に出場し、守備の中心として柏の残留に大きく貢献した。2024年の京都サンガでは、6月に加入したFWラファエル・エリアスが10試合で10得点と爆発的な活躍を見せ、残留の立役者となっている。
シーズン途中での新加入選手には即戦力としての働きが求められるが、必ずしもチームにフィットするとは限らない。しかし、京都や柏のように途中加入選手が結果を残せば、チームの流れを一変させ、残留争いから抜け出すきっかけになることも珍しくない。

総合力で挑むJ1残留争いとクラブの真価
現在のJ1は、チーム数と試合数の増加により順位変動の幅が大きくなっている。わずか数試合の結果がシーズンの命運を左右する。連敗による急降下もあれば、連勝や的確な補強で一気に浮上することも珍しくない。
近年の残留争い傾向を踏まえると、目指すべきは従来の「勝ち点40」ではなく「勝ち点43前後」で、早い段階から安全圏を見据えた戦い方が求められる。特に、夏の移籍市場や終盤戦に向けた補強、そして同じ残留争いのライバルからいかに勝点を奪うかが、残留争いの成否を分ける決定的な要因となる可能性は高い。
そして忘れてはいけないのは、サポーターの後押しだ。ホームゲームでの声援や熱気は、勝ち点を手繰り寄せるための大きな武器となる。2025シーズンも、残酷かつドラマチックな戦いから目が離せない。