ただし、これは「18チーム制」「全34試合」「自動降格2クラブ」(※2021年のみ暫定的に20チーム制・38試合)の場合の数字だ。本格的に20チーム制・38試合が導入された2024年は様相が一変。18位のジュビロ磐田が勝点38で降格し、17位の柏レイソルは勝点41で残留という結果になった。

つまり、チーム数と試合数の増加により「勝点40」は依然としてひとつの目安ではあるが、もはや安全圏とは言えなくなってきている。実力が拮抗し混戦となれば、勝点40以上でも降格するクラブが現れる可能性は十分にある。

湘南ベルマーレ 写真:Getty Images

20チーム制が与える影響と残留争いの長期化

では、20チーム制になったことで、残留争いにはどのような影響が生じているのだろう。考えられるのは「連敗による急転落」と「下位からの急激な巻き返し」だ。

2024年のアルビレックス新潟は第30節時点で10位につけていたが、その後は勝点を伸ばせず、第37節では17位へ転落。辛うじてJ1残留を果たしたものの、一気に順位を落とした。

一方、湘南ベルマーレは第31節終了時点で17位と苦しんでいたが、その後4連勝を達成し、第35節には12位へと浮上。最終的に15位でフィニッシュし、見事残留を決めている。

こうした事例は「残留争いの長期化」と「序盤から中盤にかけての勝ち点積みあげの重要性」を示している。従来も最終節までもつれ込むケースはあったが、今後はさらに”最後までわからない戦い”が続くことになるだろう。


横浜F・マリノス 写真:Getty Images

夏の戦力補強の重要性

J1残留を争うクラブにとって、最も重要なのは同じ降格圏にいるクラブとの直接対決だ。これらは”6ポイントマッチ”とも呼ばれ、勝敗が順位に大きな影響を及ぼす。

2025年のJ1第23節では、最下位の横浜F・マリノスが同じく残留を争う横浜FCに勝利して最下位を脱出。今後の残留争いにおいて大きな意味を持つ1勝となった。2023年の第33節でも、15位の湘南ベルマーレが最下位の横浜FCに1-0で勝利。この結果、湘南はJ1残留を確定させている。