そのため膣痙を患うサラは、心だけの絶頂を訓練する道を選びました。
誰からも羨まれる能力を身に着けた背景には、身体的な苦悩があったのです。
しかし逆境を跳ねのけ10年に及ぶ修行を行った結果、ついにサラは絶頂を自在に操れるようになったのです。
さらに喜ばしいことに、絶頂を自在に操る能力を経る過程で、サラは膣痙の症状に悩まされることもなくなり、通常の膣への挿入を伴う性行為も可能になりました。
精神の修業が肉体の病を超越させたと稀有な例と言えるでしょう。
しかしそうなると気になるのが、サラ……いえ、サラ師が具体的に、どのような訓練で、驚異の能力を身に着けたのかです。
呼吸法の体得だけで数年を要した

サラ師はどのような訓練で絶頂を操る方法を体得したのか?
サラ師は心による性的絶頂のためには専用の脳回路を形成する必要があると述べています。
そして回路形成の基本となるのが、体の感覚を意識するための姿勢と呼吸の訓練であるとしています。
サラ師はインドに伝わるヨガとタントラをベースに、この基礎訓練と脳回路形成に何年も費やしました。
(※タントラとはヒンズー教の聖典の1つであり、性愛または性交を通じて宇宙の最高真理を認識することが重要だとされています)
次に重要になるのが、骨盤底運動、乳房マッサージの練習を行いつつ、恥と罪悪感を解放する精神修練でした。
サラ師の訓練は日常生活の中にも及び、日々の生活でもリラックスして手放すこと(こだわらないこと)を学び、体のイメージを受け入れ、マインドフルネスの常なる実践を目指しました。
その道のりは決して平たんなものではなかったのでしょう。
しかしサラ師は10年間鍛錬に打ち込み、ついには心だけの絶頂を自在に操れる境地に達したのです。
常人がサラ師と同じような境地に達するのは難しいかもしれません。