つまり、「社会的な行動の乱れ」が「呼吸の乱れ」を引き起こしていると考えられます。
研究チームは、この状態を「social apnea(社会的無呼吸)」と名付けています。

また、この研究は、季節によるOSAの重症度変化にも着目しています。
データを再解析したところ、夏と冬にOSAが8〜19%重症化する傾向が見られました。
夏は高温により浅い睡眠段階が増え、OSAが悪化しやすくなり、冬は睡眠時間の延長とともにREM睡眠が増えるため、無呼吸イベントが頻発しやすくなると考えられています。
このように、曜日や季節など「日常生活の変動要因」がOSAに大きな影響を与えていることは、従来の固定観念に一石を投じる発見です。
今後は、より精密な多夜間検査の導入や、週末のライフスタイルに合わせた個別治療戦略の検討が求められるでしょう。
たとえば、週末を含めた複数夜の睡眠データを収集する検査体制や、自宅で使用可能なセンサーやウェアラブル機器の活用などが挙げられます。
そして、すでにOSAと診断されている方にとっては、「週末でもCPAP治療を続ける」ことが、自身の健康を守るうえで重要だと分かります。
全ての画像を見る
参考文献
‘Social apnea’: Common sleep disorder up to 47% more severe on these days
https://newatlas.com/sleep/social-apnea-weekend/
Weekend habits linked to new sleep disorder trend: ‘Social Apnea’
https://www.eurekalert.org/news-releases/1094356
元論文
“Social Apnea”: Obstructive Sleep Apnea is Exacerbated on Weekends
https://doi.org/10.1164/rccm.202505-1184RL