人間やペットへの感染リスクは?
コロラド州公園野生生物局(CPW)は、このウイルスが人間やペットなど、他の種に感染する可能性は低いと考えている。昆虫を介して人間に感染したという既知のケースも存在しない。しかし、万が一を考え、感染したウサギには近づかず、触れないようにと強く呼びかけている。
腫瘍は、ウサギの目や口の機能を妨げない限り、痛みを伴うことはないと考えられている。しかし、腫瘍が大きくなりすぎると、食事ができなくなり、餓死に至るケースもあるという。また、腫瘍の一部は「扁平上皮がん」という悪性の皮膚がんに変化する可能性もあり、転移すれば致命的となる。
伝説のUMA「ジャッカロープ」との関係

(画像=ジャッカロープの剥製(?) Byhttp://www.cgpgrey.com,CC BY 2.0,Link)
実は、このショープ乳頭腫ウイルスに感染したウサギこそが、アメリカの伝説のUMA(未確認生物)「ジャッカロープ」の起源ではないかと考えられている。ジャッカロープとは、ウサギの体にシカの角が生えたとされる伝説上の生き物だ。
実際に、角の生えたウサギのイラストは、1789年に出版された科学書にも描かれており、古くからこの奇妙なウイルスに感染したウサギが、人々の想像力をかき立ててきたことがうかがえる。
野生生物当局は、このウイルスが公衆衛生上のリスクをもたらすものではないとしながらも、「もし、この異様な姿のウサギを見かけた場合は、距離を保ち、そっとしておくのが最善です」と述べている。
神話の生き物か、それとも病に苦しむ生物か。もしあなたが自然の中で、角の生えたウサギに出会ったとしても、その神秘的な姿に惑わされ、決して手を触れてはならない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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