妹の名前じゃない。

いや、そもそも彼に妹がいるなんて、聞いたことすらなかった。

思わず問い詰めると、彼はバツが悪そうにこう言った。

「……あー、まゆは“前の彼女”。ていうか、今も時々会ってる」

「は?」

「土日は、彼女の方の家族とも仲良くしてて。長い付き合いだから…さ」

言葉が出なかった。 “土日は家族と”って、それ、私じゃなかったの?

その一言が、私を突き落とした

One-word
(画像=『FUNDO』より引用)

「君は平日担当だろ?今さら土日なんてムリだよ」

その一言で、すべてが終わりました。 恋人だと思っていた私は、ただの“便利な平日要員”だったんです。

私が仕事帰りに食事を作って待っていた夜。 体調が悪い中でも、彼に気を遣い続けた時間。

すべてが、別の女性と土日を過ごすための“つなぎ”だったと知ったのです。

私が選んだ“静かな復讐”

感情的に責めるのは、簡単でした。 でも私は、それをしなかった。

数日後、黙って引っ越しを決めました。 彼が仕事に行っている間に、部屋を片づけ、生活の痕跡をきれいに消しました。

最後にテーブルの上に置いたのは、 彼が私にくれたペアマグカップと、メモ。

“土日は家族と”──その家族に、私はいなかったみたいね。

スカッとする別れは“後味の良さ”が大事

A-refreshing-breakup
(画像=『FUNDO』より引用)

その後、彼から何度も連絡が来ました。 「誤解だ」「戻ってきてほしい」と、都合のいいことばかり。

でも私は、一度も返信しませんでした。 もう、“家族に入れてくれない関係”なんて、こりごりです。