後に判明するが、主たる原因はネクタイではなかった。佐藤さんの使っているネクタイはラメ入り黒のショートカーリー1本もの。見たことのないネクタイだ。

「佐藤さん!こんなおかしなネクタイ持ってないよ」と声をかけると、「秘密だけど特別に教えてあげるよ。ブリズムのネクタイ」と答えてくれた。

正直私のネクタイ選定のカテゴリーの中に、黒色は入ってない。ただ、ショート1本ものはスイッチを使うようになってから、持参していた。

赤ネクタイで本命ヒット

早速未使用だった濃い赤色のネクタイで再開すると、着底と同時にティップを激しくたたきだした。この引きは本命だ。上がってきたのは50cmには届かぬものの、まずまずの本命が釣れてきた。

この後、私はこのショートで良型オオモンハタをヒットさせるのだが、マダイは全く釣れず、佐藤さんだけがマダイを次々ヒットさせた。

「ヘッドを軽くしていれば釣れると思い違いしていないか。今日はライン角度と巻きスピードがカギ。佐藤さんは120gのヘッドを使っているので皆も合わせて!」と船長から声がかかった。

志摩沖のサビキ釣り&タイラバで50cm級マダイやオオモンハタを手中【三重】黒カーリーに好反応左側のショートカーリー1本ものが良かった(提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)

ヘッド交換で周囲にヒット連発

私もヘッドを120gに交換。すると同船者は次々マダイをヒットさせ始めた。一方私はオオモンハタやホウボウ、サバにウッカリカサゴとおいしい魚が釣れてくるが、肝心のマダイがこない。

正午すぎ、見かねた佐藤さんから「巻きスピードをもっと速く」と声がかかった。私なりに速く巻いているつもりだが、遠目から見ても遅いのだろう。結局、終了間近に良型がヒットしたがラインブレイク。ダメなときはこういうものだ。

タイラバの核心に気づいた一日

タイラバの釣り方の理屈は自分なりには理解しているつもりだったが、本当の意味で実戦していなかったのだ。

「今日は着底後かなり速巻きすることで、素早く動くネクタイのリアクションで食わせていたんだ」と佐藤さん。私のタイラバ技術の中に、リアクションバイトはなかった。

志摩沖のサビキ釣り&タイラバで50cm級マダイやオオモンハタを手中【三重】黒カーリーに好反応船中釣果を前に記念撮影(提供:週刊つりニュース中部版APC・伊藤明洋)