■それにしてもこの会社、仕事が早すぎる

続いては、和平フレイズに今回のケースについて取材を行うことに。ちなみに、同社はキッチン用品に対する(異常な)情熱で、ネット上では度々話題になっている。

例えば2023年、突如「底抜け」になったフライパンの様子がXで大きな話題になった際には、ポスト投稿主にフライパンの郵送を依頼。現物を入手することで正確な解析、および検証を行った実績まであるのだ。

そこで今回、しがないワーママさん宅のケースを伝えたところ…なんと実際にシリコン菜箸のシリコン部分を取り除いて、焼きそばの調理による検証を行っていたことが判明。仕事が早すぎる。

和平フレイズの検証
(画像=『Sirabee』より引用)

担当者は「実際に試してみたところ、こんなに傷がついてしまうものか…と驚きました。確かに、シリコン菜箸のシリコン部分がとれたもので調理すると傷がつき、こういったケースは盲点でした」と、検証結果を振り返る。

和平フレイズの検証
(画像=『Sirabee』より引用)

フライパンの加工が削れてしまう原因については「シリコン菜箸の中身は、ほぼ鉄(ステン)芯です。スプーンやお玉も金属製の芯の物が多くあるので、金属芯の場合は気を付けた方が良いです」と、説明。

また「キッチンにあるマグネットなどを先端に近づけて確認するのも、一つの手です。時々先端にも注目してみると良いかと思います」と、補足していた。

■菜箸を使うときの注意点3つ

今回の悲劇が生まれた主な要因は「菜箸の異変」だが、こちらに「日ごろ料理をしない夫」「男性のパワー」などの要素が組み合わさった影響も大きいだろう。

これらを踏まえ、和平フレイズの担当者は「菜箸をたてて使用すると、先端が引っかかりやすくなるため、フライパンが傷つきやすくなります」「また、前後に『突く』ような動作をすると、奥に向かって力が入っていくため傷つけやすいです」「ふっ素面に接した部分を感じるか感じないか程度、押し付けるのでなく自然にふっ素面に置いた時程度にし滑らすようにお使頂くと、ふっ素の傷みも少なくて済みます」と、菜箸を使用する際の注意点を説明してくれた。

つまり菜箸を使用する際は、「立てて使用しないこと」「できるだけできるだけ前後には動かさないこと」「先端を滑らせる程度の力加減にすること」の3点が重要なのだ。

和平フレイズの検証
(画像=『Sirabee』より引用)

ふっ素樹脂加工には、強く摩擦されたり、傷が付いたり、急に冷やされたりすると「剥がれやすくなる」という特徴がある。

そのため、菜箸の使用法だけでなく、「フライパンの上で食材を刻んだりしないこと」「金属製のヘラやツールを使わないこと」「洗う際は2分程度待って、フライパンがある程度冷めてから洗うこと」といった点に留意すると、フライパンの寿命がグッと伸びそうだ。

なお、「金属ヘラ使用可」のフライパンも存在するが、和平フレイズからは「木やシリコンのツールを使うと、ふっ素樹脂加工が長持ちします」との回答が得られている。

また、「和平フレイズのフライパンに使用されているふっ素樹脂は食品衛生法に適合しており、人体に影響のない事が確認されています。万が一、フライパンから剥がれたふっ素樹脂を飲み込んでしまっても、体には吸収されずに排出されます。ご安心ください」とのこと。

日ごろ料理をしないパートナーにキッチンを任せる際は、これらの注意点を事前に説明しておくと、悲劇が起こるのを防げるかもしれない。