思うようにいかない
約30分ほどかけて5~6本ほどのウキ調整を済ませ、ようやくエサ打ちを開始する。
この手の釣りでよくあることだが、序盤は調子よく竿を絞っていた。しかし魚の寄りが厚くなるに従い、徐々にヒット率が低下し始め、ついにはアタリさえも出づらい状況に陥った。
ここからだね(笑)。
吉田康雄
「そうですね。今はウキが立ちづらい感じなのでウキはフレッタのままオモリ量(番手)を増やして様子を見ます」
これでウキはナジむようになったが、今度は肝心のアタリが出ない。いや正確に言うならアタリは出ている。しかしそれはナジミ途中で引ったくったり、ウキが斜めに走ってしまったりのいわゆる食いっ走りであり、ナジんでからのズドンではないことが多かった。
吉田康雄
「実はM-1予選の時にも感じてたのですが、タナに入ってからの動きがいまいちよくないんです。今日もそれを引きずっている感じですね」

それって上ずったからなの?
吉田康雄
「それもないとは言えませんが、訂正エサを打ったところで改善してこないんです。どうもやる気のある魚が規定より浅いタナに集中してしまっている感じなので、準決の時もボクを含め多くの選手がこれに苦労させられたんです」
なるほどね。んで、どうするの?
吉田康雄
「手探りで探るしかないですね。しかもやり慣れない両トロコンなので少し時間をください」
吉田の思考回路がフル回転している間、記者は周囲の風景を含め写真撮りに専念する。野釣りとは異なり竿を絞る回数が段違いに多いので、撮影には苦労させられないはずだったのだが……。
次回も「数十年ぶりの両トロコン」です。
<週刊へらニュース編集部 関口/TSURINEWS編>