イエス・キリスト、マグダラのマリア、そして洗礼者ヨハネの遺骨が、アメリカ国内の秘密の保管庫に眠っている――。にわかには信じがたい、しかし歴史の常識を覆しかねないこの主張を繰り広げたのは、現代にその名を受け継ぐ「テンプル騎士団」のリーダーを名乗る人物だ。
この衝撃的な告白の主は、ティモシー・W・ホーガン氏。彼は自身がグランドマスターを務める騎士団が、キリスト教最大の聖遺物をバチカンから守るために密かに運び出したと、あるポッドキャスト番組で語ったのだ。
エルサレムの墓から密輸された「不都合な真実」
ホーガン氏によれば、すべての始まりは1980年に東エルサレムで発見された「タルピオットの墓」にあるという。この古代の墓からは複数の骨壷（納骨棺）が発見され、その中の一つには「ヨセフの子イエス」を意味する文字が刻まれていた。
「この墓が発見された時、もし遺骨がバチカンに渡れば、それらは“消されてしまう”と我々は理解した」。ホーガン氏はそう語る。なぜなら、イエスの遺骨が存在するという事実は、「イエスは肉体的に復活し、昇天した」というキリスト教の根幹をなす教義と真っ向から対立するからだ。
この「不都合な真実」が歴史から抹殺されるのを防ぐため、テンプル騎士団は遺骨を密かに運び出し、守り続けてきたというのだ。
アメリカ北西部に眠る聖遺物と「契約の箱」
中世に活躍し、1312年に解体された後も数々の陰謀論の主役となってきたテンプル騎士団。ホーガン氏の主張は、その伝説に新たな1ページを加えるものだ。
彼によれば、遺骨を収めた保管庫はもともと7つあったが、現在はアメリカ北西部の2ヶ所に集約されているという。そして、その中にはイエスやマグダラのマリア、洗礼者ヨハネのものとされる骨壷だけでなく、「6つの契約の箱（Arks）」までもが保管されていると主張する。
バチカンも保管庫の存在自体は認識しているものの、その正確な場所は知らないという。もし場所が特定され、遺骨が接収されるようなことがあれば、それらは間違いなく「姿を消すだろう」とホーガン氏は警告する。
