タガメはさらに輪をかけて強い痛みを招くとも聞きます。刺されれば傷口に消化液も送り込まれるので、これも痛みの要因になっていると考えられます。

しかしさすがに人間相手では効果は限定的なので、大怪我に繋がることはありません。

<激痛度:★★★>

スッポンの強靭な顎

水辺の生きものの中でも、昔から危険視されているのがスッポン。

「いちど噛みつくと雷が落ちても離さない」とも言われるスッポンですが、実際にはそこまで獲物に執着する性質ではありません。

「挟む・噛む・刺す」一番痛いのはどれ? 水辺の生き物たちの攻撃を受けてみたスッポン(提供:PhotoAC)

川遊び中にたまたま遭遇した個体に、ガッツリと親指の付け根を咬まれたことがありましたが、すぐに離してもらえました。

特に抵抗せずに我慢してじっと耐えていれば、割と早めに勘弁してくれるようです。

ただし、そのアゴの力はなかなか強力。カメ全般に言えることですが、スッポンもまた以前から恐れられているだけのことはあり、咬まれるとシンプルな強い痛みをもたらします。

<激痛度:★★★>

モクズガニの挟み込み攻撃

個人的にもっともトラウマになった痛みを招く身近な水辺の生きもの。それはモクズガニです。

河川の中流から下流で広く見かけるカニで、大型の個体となると、ハサミもかなり大きく育ちます。日本の淡水域で暮らすカニの中でも、このモクズガニの挟む力は随一だと記憶します。

全国的に分布しているメジャーなカニなので、ハサミの餌食になってしまった方も多いかもしれません。

大きなハサミはただ振り回すだけでなく、しっかり獲物を引きちぎる力も持っていて、基本的には指を差し出すとそう時間を置かずに挟んできます。

実際やられてみて分かったことですが、このハサミは切断するというよりも、強い力で押しつぶす力が強く作用するようです。

筆者は成人男性なので手もある程度分厚く、この検証の際にも流石に骨は無事でしたが、子どもの手などを挟んだ場合は大怪我に至ることも考えられます。