IAIスタジアム日本平をホームとする清水エスパルスは、収容人数約2万人の中規模スタジアムを擁している。J2に降格した2022シーズンでも平均観客動員は約1万5千人を維持し、J1へ復帰した2024シーズンには平均1万7千人とJ2屈指の集客力を示している。こうした大規模な観客動員は、選手の士気を高め、ホームでの強さに直結する。
サポーターが後押しするスタジアム環境の整備とクラブを支える地域との連携強化は、ホームで勝ち切るために欠かせない要素だ。

チームの未来を支える選手育成と若手の躍動
J1昇格クラブは即戦力の補強に加え、育成選手や若手の成長をチーム戦力に効果的に取り入れている点も共通している。多くのクラブが10代から20代前半の選手を積極的に起用し、彼らが主力や準主力として着実に台頭。若手選手は経験を積みながら戦術にフィットし、昇格争いにおける重要な戦力として期待されている。
育成型クラブとして特に知られるのが水戸ホーリーホックだ。水戸は若手選手を積極的に起用し、戦術にフィットさせることで戦力強化と育成の両立を図っている。水戸からステップアップした選手にはFW前田大然(現セルティック)、FW小川航基(現NECナイメヘン)などがおり、現在はMF齋藤俊輔(20歳)が中盤で攻撃の起点、DF鷹啄トラビス(23歳)が最終ラインを支えている。
水戸は現在J2で単独首位を走っており、長年続けてきた育成クラブとしての取り組みが、今季の好調の一因となっている可能性が高い。

継続した挑戦が手繰り寄せる昇格
J1昇格は、徹底した準備と積み上げの結果である。守備の基盤構築、主力固定による戦術継続、ホームで勝ち点を積み重ねる力、若手の育成。これら4つの要素が揃って初めて、J1という頂に届く。