レオ14世の数字は、2013年にフランシスコ1世が就任した際の教皇の支持率や、2005年にベネディクト16世が就任した際の支持率とほぼ同等だ。3人の教皇はいずれも、当初の評価において米国のカトリック教徒から平均以上の支持を得ている(レオ14世76%、フランシスコ80%、ベネディクト16世67%)。

レオ14世が歴代教皇と異なる点は、リベラル派の支持率が保守派より多いことだ。一方、ベネディクト16世とフランシスコ1世は、それぞれ2005年と2013年の教皇就任当初は、リベラル派よりも保守派から好意的に見られていた。一方、フランシスコ1世は、保守派からの人気が時とともに低下し、2023年12月にギャラップが行った最終世論調査では、リベラル派(70%)が保守派(42%)を大きく上回り、現在のレオ14世の支持率とほぼ同等となっている。

【結論】(Bottom Line)

レオ14世は米国で幅広い支持を得ており、党派色が強く、イメージが二極化しやすい著名人とは一線を画している。共和党や保守派よりも民主党やリベラル派から高い評価を得ている。晩年のフランシスコ教皇のイメージとの類似性を考えると、これはアメリカ人がレオ14世をフランシスコの宗教的・社会問題へのアプローチを継承していると認識しているか、あるいは、そうでないことが証明されるまでそうであると想定していることを示しているのかもしれない。一方、1月以降、トランプ政権の主要人物に対する好感度が低下していることは、同時期のトランプ氏の支持率の低下とほぼ一致している。しかし、マスク氏とルビオ氏の好感度の低下は、トランプ氏、バンス氏、ケネディ氏よりも顕著だ。

【解説】

欧州の著名な神学者パウル・ズーレナー氏は8日、オーストリア放送協会(ORF)の情報番組で、「レオ14世はローマ・カトリック教会の最高責任者としてまだハネムーン期間にある。実際、同14世を批判する論評はほとんどない。すなわち、レオ14世は敵とまだ対峙していないのだ。レオ14世が教会刷新(シノドス)に本格的に乗り出し、厳しい決断を迫られるならば、レオ14世の眼前に敵が姿を現すだろう。それまではレオ14世の米国人の好感度に変化はないだろう」と分析している。ギャラップ調査で興味深い点は、レオ14世は歴代教皇とは異なり、リベラル派の支持率が保守派のそれより多いことだ。