つまり安全対策を積み上げてきた今、もともと安価で安定的なエネルギー供給源というシナリオが崩れてきているともいえないでしょうか?
今般、関西電力が美浜原発で新設の調査に取り掛かると発表しました。仮に順調に物事が運んだとしても10年ではモノにならないでしょう。一方、再生エネルギーについてはここにきていろいろな問題が出てきています。特に衝撃とも言えるのが海上の風力発電で機材の故障が多発し、事業者がギブアップするなど現実性に疑問符がついています。三菱商事は海上風力発電では業界でもリーダー的でしたが、522億円の減損と撤退の可能性も否定しない状況になっています。バイオマスエネルギーを進めるレノバ社も各地のバイオマス発電所の稼働を次々延長し安定稼働に課題があることを示しています。

美浜発電所 関西電力HPより
一方、電力需要はうなぎのぼり。とくにAI関係は電力を爆食いするため、その供給源をどうするのか、深刻な課題となっています。個人的には既存原発は第三者機関の監視を強化しながら新たな安全基準を満たしたものについては逐次再稼働を進めるべきかと思います。福島の教訓はありますが、原発事故による直接的死亡者はゼロだという点は意味があると思います。心配は尽きないのですが、地元の理解が進めばと思っております。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年8月13日の記事より転載させていただきました。