お盆と言えば、墓参りのシーズン。しかしこの時期、1人で行なう墓参りは「非常に危険である」ことをご存知だろうか。

■墓参りは2人以上で、その理由は…

今回注目したいのは昨年、長崎県大村市の僧侶・吉田武士さんが投稿した一連のポスト。

最初の投稿は「本当の話です。墓参りはできれば2人以上で行ってください。1人で行かないほうがいいです」という書き出しから始まり、「熱中症で動けなくなると、発見も遅れて危険です。お墓で命を落とす危険があります。お墓は日陰が少ないし、灼けた墓石、コンクリートで石窯オーブンです。久しぶりの墓参り、張りきって掃除すると時間も忘れやすい。休憩、水分、同伴者、お忘れなく。よろしくお願いいたします」と、真夏の墓地に対する注意喚起が続いていた。

さらに吉田さんは、熱中症が重症化しやすい高齢者がいるネットユーザーに対して「おじいちゃんやおばあちゃん、老齢のご両親がおられる皆さまにお願いです」と、よりいっそうの注意を呼びかける。

■墓参りを「止める」のでなく…

「熱中症が危ないとはいえ、ご年配の方にとってお墓参りは生活の中での大切な習慣だったりします。無理に周りから『やめなよ』と止めることは難しいものです」と、続ける吉田さん。

そうした背景を踏まえた上で、「ご年配のご家族の方がお墓参りに行くときは同行したり、お墓参りに行く時間や場所を把握したり、電話で連絡をとれる状態を作ってあげたりしてください」「いずれにしましても、家族のコミュニケーションが大切です。『今度、お墓参りはいつ行く? 一緒に行かない?』と声をかけることを、ぜひやってみてください」と、呼びかけていたのだ。

お盆シーズン間近ということもあって一連のポストは瞬く間に話題となり、最初のポストは投稿から数日で1.5万件以上ものとリポストを記録したほど。

Xユーザーからは「霊的な話かと思いましたが、確かにその通りですね」「去年、おばあさんが熱中症で倒れて、救急車で運ばれていました」「お化けよりも、熱中症の方が怖い」など、驚きと共感の声が多数寄せられていた。

そこで今回は、吉田さんをはじめとする「お墓のプロ」の僧侶たちに、真夏の墓事情について、より踏み込んだ話を聞いてみることに。すると、これまで聞いたどの怪談よりも恐ろしい裏話が明らかになったのだ…。

■墓石は「火傷しそうな熱さ」に…

じつは吉田さんも、過去に熱中症で倒れた人物を介抱した経験が。

当時の様子について、吉田さんは「8月上旬の午前、お寺の境内の墓地の一角で、70代くらいの男性がお一人で座り込み、グッタリとされていました」と振り返る。

どうやら男性は墓参りで草むしりなどをした後だった模様。吉田さんはすぐに救急車を呼び、経口補水液や氷などで応急処置を行うことに。幸い、男性の命に別状はなかったそうだ。

なお、真夏の墓地の気温については「墓石に触ると、火傷しそうな熱さです」「光沢のある墓石からの照り返しもあるので、相当な熱さだと思われます」とも説明しており、想像しただけで汗が噴き出てくるというもの。

そして、じつは墓地の「立地条件」にも、熱中症になりやすい要素が潜んでいたのだ。