学校を取り囲むのは石で作られた塀。かまぼこ型に成型された塀は独特なものでどこか日本離れした景観を生み出しています。
石垣で作られているのはこの火除山もそうで、火事による書物や建物の焼失を防ぐためにつくられたものです。
そんな石塀を伝って、奥にある資料館まで歩いていきます。こういう細道結構好きです。

明治期のどこか西洋を感じさせる木造校舎。講堂建築から200年。時代の流れを感じさせます。
こちらの資料館は古い木造の建物。明治維新後に閑谷学校が藩政改革によって閉校となったあと、私立閑谷中学校として生まれ変わった際に建築され、主に英学・漢学・数学が教えられていました。

300年を超える閑谷学校の歴史を語る品々が並ぶ。
最後に楷の木の下を潜り、聖廟を訪ねました。儒学の祖・孔子の徳を称えるもので、最も神聖とされ重要な場所。この建物の中に孔子像が置かれ、学校がなくなったあとも崇められています。
岡山の山中に静かに佇む閑谷学校。ここで多くの庶民が学び、優秀な人材が輩出され全国で活躍してきました。今も残るこの名建築がその歴史を今に伝えてくれています。次は紅葉の時期に訪ねてその景観の美しさをより楽しみたいと思いました。
編集部より:この記事はトラベルライターのミヤコカエデ氏のnote 2025年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はミヤコカエデ氏のnoteをご覧ください。