特にゲームでは、脳に多くの酸素が送られ、それを活発に使っている様子が見られました。

これはゲームが頭を使い、戦略や判断を必要とするためと考えられます。

テレビは受け身の活動のため脳の変化は小さいものの、集中力はやや高まりました。

一方、SNSでは酸素の流れは増えているのに、集中力が下がるというちぐはぐな反応が見られました。

研究チームは、SNSが通知や短い動画など多くの刺激を連続して与え、注意をこま切れにしてしまうことが原因ではないかと推測しています。

また、実験前にストレスが高い人ほど、SNS利用後の酸素化血流が少なくなる傾向も見られました。

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Credit: canva

この研究は、スクリーン利用の影響が一律に「良い」または「悪い」ではなく、コンテンツや利用の仕方によって大きく変わることを示しています。

わずか3分という短時間でも、テレビ、ゲーム、SNSはそれぞれ異なる脳活動と集中力の変化を引き起こしていました。

もし「集中して作業したい」と思うなら、SNSを開く前にゲームや番組を楽しむ方が、意外にも脳に良い準備運動になるかもしれません。

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参考文献

Young adults’ brain activity shows TV and gaming boost focus, while social media hinders it
https://medicalxpress.com/news/2025-08-young-adults-brain-tv-gaming.html

元論文

Changes in prefrontal hemodynamics and mood states during screen use: a functional near-infrared spectroscopy study
https://doi.org/10.1038/s41598-025-09360-w

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。