今回のケースでは、レッドテール・ガラの野生個体がどこに生息しているかが分かっていなかったため、これまで科学的な調査ができませんでした。
ある生物を新種として記載するには、自然の生息地で観察する必要があります。
その野生の生息地が見つかっていなかったためにレッドテール・ガラは長い間、新種として記載できなかったのです。
ついに野生のレッドテール・ガラを発見!
しかし今回、米フロリダ自然史博物館(FMNH)の魚類学者であるラリー・ペイジ(Larry Page)氏らにより、ついに野生のレッドテール・ガラが発見されました。
淡水生のアゴヒラ属は、アフリカ西部からトルコ・イランを含む西アジア、中国やインドの一部を含む南アジア、そしてタイやミャンマーを含む東南アジアの河川に広く分布します。
ペイジ氏は2007年以来、魚類調査のために毎年タイの河川を訪れていました。
彼は、レッドテール・ガラはタイの隣国であるミャンマーの水族館でよく取引されていたため、ミャンマーに広く分布しているのではないかと推測していたといいます。
そして最近、タイの国境にも近いミャンマーを流れるアタラン川の支流でフィールドワークをしていたときに、野生のレッドテール・ガラを発見したのです。

これにより、野生下での詳しい生態調査が可能になり、20数年越しに「新種」として記載することに成功しました。
新たな学名はタイの著名な魚類学者であるノン・パニトフォン(Nonn Panitvong)氏にちなんで、「ガラ・パニトフォンギ(Garra panitvongi)」と命名されています。
ではレッドテール・ガラ改め、ガラ・パニトフォンギは具体的にどんな生態をしているのでしょうか?