
オランダ1部アヤックスは8日、ボルシアMGから日本代表DF板倉滉を完全移籍により獲得したと公式発表。フィオレンティーナやMF堂安律擁するアイントラハト・フランクフルトからの関心が報じられた後の移籍で話題を呼んでいるが、アヤックス移籍の背景には、同クラブとガンバ大阪のパートナーシップ契約も間接的に関わっていたようだ。
オランダ『VI』は8月9日、板倉のアヤックス移籍を特集。日本代表センターバックのメンタリティーやプレースタイルを高く評価したほか、オランダ1部フローニンゲン時代の成績等を回顧。その上で、アヤックス移籍に至るまでの過程をこう伝えている。
「板倉は2024年夏の時点でオランダ復帰に近づいていたが、最終的にPSVアイントホーフェンはボルシアMGとの合意に至らなかった。その1年後、PSVは再び板倉について問い合わせを行い、同時にフェイエノールトやアヤックスも関心を示した」
「その中でもアヤックスが最も積極的だった。アヤックスは板倉のプレーインテリジェンスと広いスペースを守る能力を評価。6月初旬にはすでに最初の直接面談が行われた。フットボールディレクターのマリジン・ボイカー氏は、(パナソニックスタジアム吹田で)FIFAワールドカップ北中米大会アジア最終予選の日本代表対インドネシア代表が開催されるタイミングで、パートナークラブであるガンバ大阪を訪問していた。そのタイミングでボイカー氏は板倉に対して、アヤックスの用意しているプロジェクトを提示した。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)でのプレー経験がない板倉は、すぐに興味を示した。アヤックスならすぐにCLでプレーできるからだ」
「ボルシアMGと板倉の契約期間が残り1年であったため、アヤックスは取引成立に自信を持っていた。ただし、板倉には忍耐が必要だった。アヤックスは板倉の移籍金を用意する前に、まず選手を売却しなければならなかったからだ。直近数か月にわたり、アヤックスは板倉と密に連絡を取り続けていたため、個人合意はもはや障害ではなかった。そして先週、ついにアヤックスはボルシアMGと合意に達した。同クラブはなおも相応の移籍金を要求しており、欧州主要リーグの他クラブも関心を寄せていたためである。しかし板倉はアヤックス以外に行くつもりはなく、最終的にアムステルダムのクラブはボーナス込みで総額約1,000万ユーロ(約17億円)にもなる金額を支払う決断を下した」