このような「分布パターン」による影響は、特に経験人数が多い条件で強く現れており、人々は単に「何人と関係を持ったか」ではなく、「どのように経験が積まれてきたか」を重視していることがうかがえます。

男性も女性もほぼ同じ傾向を示す

恋愛における調査では「性的ダブルスタンダード(男性と女性で評価基準が違う)」という問題もよく取り上げられますが、この研究では性別による評価の違いは最小限でした。つまり、「経験人数が多い相手を本命にしづらい」という傾向は、男性にも女性にも共通して見られたのです。

また、ソシオセクシュアリティ(カジュアルな性に対する開放性)の指標が高い人ほど、経験人数への評価が緩やかでしたが、それでも「極端に多い場合は警戒される」傾向は共通していました。

この研究が示したのは、「経験人数の多さ」が恋愛において実際に影響を与えているということ、そしてそれが単なる偏見ではなく、人類が進化の中で培ってきた判断基準の一部である可能性があるということです。

しかし同時に、「数」だけで判断しているわけでは、最近の傾向も考慮されていました。その人が今、どんな価値観を持ち、どんな生き方をしているのか──その手がかりとして、過去の恋愛の流れやパターンを人は無意識に読み取っているのかもしれません。

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参考文献

It’s not just how many – it’s when: global study reveals people judge a potential partner’s sexual history by timing, not total number
https://www.swansea.ac.uk/press-office/news-events/news/2025/08/its-not-just-how-many–its-when-global-study-reveals-people-judge-a-potential-partners-sexual-history-by-timing-not-total-number-.php