「避けられる死」と未来への投資
一方で、狂犬病のように、ワクチン接種によってほぼ100%防げる死もある。研究者たちが、こうした不吉な計算をするのには理由がある。彼らによれば、「小惑星の衝突は、技術的に予防可能な唯一の自然災害」なのだ。
2022年、NASAの探査機「DART」は、宇宙機を小惑星にぶつけて軌道を変えるというミッションに成功し、人類が宇宙からの脅威に対抗できることを証明した。しかし、こうした宇宙防衛プログラムには、莫大な投資と長い年月が必要となる。
私たちが日常的に直面するリスクと、小惑星衝突のリスクを天秤にかけることで、私たちは未来への投資の優先順位を決めることができる。道路の安全性を高めるべきか、それとも宇宙防衛に多額の資金を投じるべきか。この研究は、そんな壮大な問いを私たちに投げかけているのかもしれない。
つまり、私たちが心配すべきは『アルマゲドン』のシナリオより、週末の高速道路だということだ。NASAには宇宙の平和を守ってもらいつつ、私たちは目の前の信号をしっかり守る。それが地球で最も賢いサバイバル術なのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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