
小惑星の衝突、ゾウの襲撃、落雷――。考えだしたら夜も眠れなくなるような、ありとあらゆる「死に方」について、私たちはどれくらい心配すればいいのだろうか。このほど、米国の科学者チームが、様々な死因で命を落とす確率を具体的に算出し、私たちの漠然とした不安に科学的な答えを突きつけた。そして、その結果は驚くべきものだった。
隕石で死ぬ確率は落雷より高い?
オーリン工科大学の物理学者チームが発表した最新の研究によれば、意外なことに、平均的な人が小惑星の衝突で死亡する確率は、雷に打たれて死ぬ確率よりも高いという。
NASAの最新データを基にした計算では、直径140メートル以上の地球近傍天体(NEO)は2万2800個存在する。もし、そのような小惑星が地球に衝突した場合、1000人に1人が死亡すると仮定すると、私たちが ** 小惑星の衝突で死ぬ確率は「15万6000分の1」 ** となる。これに対し、 ** 雷に打たれて死ぬ確率は「16万3000分の1」 ** であり、わずかながら小惑星の方が「危険」だというのだ。
さらに驚くべきことに、生涯のうちに地球が直径140メートル以上の小惑星に衝突される確率は「156分の1」と、非常に高い。もしそのような事態が起これば、その爆発力は広島や長崎に投下された原爆の数千倍にも達する可能性がある。最悪の場合、舞い上がった塵が太陽光を遮断し、光合成を停止させ、大量絶滅を引き起こす「文明の終わり」シナリオも考えられるという。
本当に恐れるべきは、日常に潜むリスク
しかし、小惑星の脅威に怯える前に、私たちが日常的に直面しているリスクに目を向けるべきかもしれない。この研究は、他の様々な死因についても確率を算出しており、私たちの「危険」に対する感覚がいかにズレているかを浮き彫りにしている。
例えば、ネパールでの調査によれば、 ** ゾウに襲われて死亡する確率は「2万1000分の1」 ** と、小惑星よりもかなり高い。また、より身近な脅威として、一酸化炭素中毒で死亡する確率は「714分の1」、インフルエンザで死亡する確率は「1000分の1」と、その危険度はさらに跳ね上がる。
そして、私たちの生活における最大のリスクの一つが「自動車の運転」だ。生涯のうちに怪我を伴う交通事故に遭う人は3人に1人。その事故が致命的となる確率を考慮すると、 ** 交通事故で死亡する確率は「273分の1」 ** となる。これは、小惑星衝突による死亡リスクの500倍以上だ。
つまり、宇宙からの脅威を心配するよりも、シートベルトを締め、安全運転を心がける方が、はるかに効果的な「延命措置」と言えるのかもしれない。
