ローソングループ大変革実行委員会
前述の「ローソングループ大変革実行委員会」では、具体的にどのような改革に取り組んできたのか。
「『ローソングループ大変革実行委員会』は新型コロナウイルス感染症により、お客様や社会の価値観が大きく変化したことにいち早く対応していくため、『商品』『店舗改装』『売場作り』『マーケティング』『SDGs』『データ活用』『収益力向上』『ブランディング』などに取り組む12のプロジェクトを立ち上げました(随時アップデートを行っており、25年度については14のプロジェクトを実施中)。
『商品面』では『まちかど厨房』導入店舗の拡大や無印良品の全国展開、『売場作り』では冷凍食品売り場の拡大や揚げ物商品のセルフ販売などを実施。『収益力向上』ではAIを活用した次世代発注システム『AI.CO』を24年7月には全店に導入。品揃え・発注数など発注にかかわる業務の推奨に加えて、値引きの推奨をする機能も実装されており、オペレーションの削減や利益向上につながっています。実際に使用している加盟店からはオペレーションが改善され、店舗運営が効率的になったという声が多く寄せられています。また、サステナブルな食の循環を目指し、冷凍おにぎりの販売についても拡大しております。
商品事例としては、冷凍商品の強化として21年度に冷凍スイーツや冷凍刺身を発売。これまでストック需要の高かった冷凍食品が即食用としても選ばれる一品となりました。24年度の具体的な商品事例では、新機軸のスイーツ『ふわ濃チーズケーキ』や『ご褒美スティックケーキ』などがご好評いただきました」(ローソン)
地域共生コンビニの取り組み
今年度に展開を計画している“チャレンジ”についても聞いた。
「今年は1975年6月14日に大阪府豊中市にローソン1号店の桜塚店がオープンして50周年を迎えました。これからの50年は圧倒的な成長を実現して、少子高齢化・人口減・災害対策など日本が抱えるさまざまな社会課題の解決にチャレンジしていきたいと考えております。今年、6月3日がローソンの日に認定されました。この日を皮切りにお客様、マチ、地球すべてをハッピーにしていく『マチのハッピー大作戦』を開始しました。6月に実施のさらにパワーアップした『盛りすぎチャレンジ』や、記念商品の発売をはじめとしたプロモーションに加え、未来のコンビニのお披露目や新たな環境対策施策等、サステナブルな社会を構築するための取り組みにもチャレンジしてまいります。
8月には食品ロス削減と寄付によってサステナブルな『食』の循環を築く『FOOD GOOD SMILE』を開始します。値引きシールが貼ってあるおにぎりを買うと1個当たり1円が食を提供する福祉施設(法人)へ食材費として寄付される取り組みです。コンビニの日配商品はほとんどが即食需要であり、賞味期限の迫ったお値引き品をお得に買っていただくことで、食品ロスの削減につながることを広くお伝えしていきたいです。デリバリーでは、導入店舗数を8,200店舗まで拡大予定であり、あわせてゴーストレストランを1,400店舗に拡大していきます。
地域共生コンビニについて、昨年度に続き、誰もが便利に楽しくお買物を続けることができる買い場の維持を目指し、地元企業や地域の皆さまと連携した“地域共生コンビニ”の出店を進めていきます(25年6月の出店事例:ローソン道志店 その他の出店事例:ローソン マルショク長浜店、ローソン龍神村西店、ローソン由利本荘鳥海町店)」(ローソン)
プライベートブランド(PB)の刷新も進める。
「刷新前のPBの約95%にあたる商品を10月までに順次、『3つ星ローソン』のブランド名に統一します。PBの刷新は2020年以来5年ぶりとなります。『3つ星ローソン』では、ローソンが宣言している“3つの約束”を指針として、商品のリニューアルを行っていきます。 1.圧倒的な美味しさ お客様の声を具現化することを第一に、商品開発プロセスを変更 2.人への優しさ お客様の関心が高い添加物について独自の使用基準を設ける 3.地球(マチ)への優しさ 25年度中に容器包装における環境配慮素材を使用する商品の比率を80%まで拡大 また、近年の『タイパ』を重視するトレンドのなかでお買い物に時間をかけたくないという意識が高まっていることから、『わかりやすい』を意識し、商品名は見やすい大きさと濃さの文字に変更。パッケージカラーは商品に合わせた識別しやすい色を使用。アレルゲン表示記載に関しては、パッケージ前面での記載に変更します」(ローソン)
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)