ノアの方舟の近くに沈む“謎の水中都市”が聖書の物語を書き換えるのか?1万2000年前の真実とはの画像1
(画像=画像は「YouTube」より)

 聖書に記された「ノアの方舟」が漂着したとされるアララト山の麓、トルコのヴァン湖。その水深25メートルの湖底に、広大な古代都市の遺跡が眠っていることが明らかになった。この発見は、旧約聖書の「大洪水」の物語の起源を根底から覆す可能性を秘めており、考古学界に静かな衝撃を与えている。

1万2000年前に沈んだ超古代文明?

 この水中都市の遺跡は、ヴァン湖のほとりの町ゲヴァシュの沖合にあり、ノアの方舟の終着点とされるアララト山からわずか240キロの距離に位置する。

 地質学的証拠によれば、遺跡が水没したのは約1万2000年から1万4500年前。当時、近隣のネムルト山が大規模な噴火を起こし、その溶岩が川をせき止めたことで、大規模な洪水が発生したと考えられている。これは、地球が極端な気候変動に見舞われた「ヤンガードリアス期」と重なる。

 独立系の研究者マット・ラクロワ氏は、この大災害が、聖書の大洪水物語の原型となった「失われた超古代文明」を滅ぼしたのではないかと考えている。「私たちが目にしている石造りの技術は、過去6000年間のいかなる文明も持ち得なかったレベルのものです」と彼は語る。

南米ペルーとの奇妙な共通点

 湖底に眠る都市は、全長800メートル以上に及び、石造りの要塞や、円形の神殿などが確認されている。特に注目すべきは、その驚くほど高度な石工技術だ。固い石材が隙間なく組み合わされ、角度のついた接合部を持つその様式は、遠く離れた南米ペルーのサクサイワマン遺跡など、巨石文明のものと酷似している。

 さらに、遺跡からは「フラワー・オブ・ライフ」として知られる六芒星の紋様が刻まれた石も見つかっている。この古代のシンボルは、ペルーやボリビアの聖地でも発見されており、トルコと南米の間に、かつて未知の繋がりがあった可能性を示唆している。

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