多角化経営を成功させる事業や人材の条件とは

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(画像=『Business Journal』より引用)

 トークセッションでは、SHONAI社やユナイテッド社の事業の多角性にも話が及びました。

 SHONAI社は、ホテル観光事業、農業事業、教育事業、地域企業の成長支援など多くの分野で事業を行っており、ユナイテッド社もまた、投資事業、教育事業、人材マッチング事業をリンク・循環させることを想定して事業を進めています。起業家の方々に向けた多角化経営のヒントを求められ、山中氏は、「多角化経営をおすすめするわけではない」とし、 「企業が成長し続けるために必要なのは従業員。そして今いる従業員たちと一緒に働き続けるには、企業は成長し続けなければいけません。当社の場合、そのためにやれることはすべてやる、と舵を切った多角化が、結果うまくいったということだと捉えています。1つの事業に集中するという価値観でうまくいっている企業もあるので、どちらがいい、と優劣をつけるものではないと感じています」 と、自社の多角化経営の経緯をまじえて語りました。

 早川氏は投資家の視点から、多角化経営に向いているタイプと不向きなタイプについて話します。

「多角化ができるタイプの事業や人物、というものが明らかにあると感じています。スケーラビリティのある事業であれば多角化したほうがよい場合も多いです。

 人物に関しては、何かやってくれそうだと人に感じさせることで、さまざまな事業の話が舞い込んでくるタイプ、かつ、舞い込んできた事業に対してしっかりと組織をつくってさばいていける方が多角化経営に向いています。

 山中さんは、まさにそのようなタイプです。逆に、すべて自分でやろうとして、事業の各所に目を光らせてしまうタイプの方は、多角化経営を破綻させてしまいます」

必要なのは覚悟ひとつ!?挑戦する起業家へのメッセージ

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(画像=『Business Journal』より引用)

 トークセッションの最後、山中氏と早川氏は、新たなことに挑戦したい、資金調達を受けたい起業家の方々に向けて次のようにメッセージを語りました。

「上の世代になればなるほど、若者よりも根性もグリット力もある方が多いです。しかし、下の世代にいくとそういった方の割合は少なくなっています。つまり、『絶対に自分がやる』と決めて動いてやりきれば、勝てる時代だと感じています。そういった覚悟を持って、ビジネスをやっていただきたいなと思いますね」(山中氏)

「おそらく今日は皆さん、夢に出てくるくらい、山中さんの話に影響されていると思います。現在140社に投資しているなかでも、山中さんはとくに期待する経営者です。しかし、経営者は山中さんのような方法で経営する方ばかりではありません。自分のやり方や事業を伸ばすアプローチを実践してもらえるとよいのではないか、と思っています」(早川氏)

 地方から新しい挑戦を続けるSHONAI社 山中氏と、それを“善進投資”で支えるユナイテッド社 早川氏の対話は、これからの起業や事業成長のヒントに満ちていました。今後の経営戦略や投資戦略は、単なる数値的なコミュニケーションではなく、「誰とどんな未来を描くか」というパートナーシップ的な価値観に変化していくのかもしれません。

 今回のトークセッションの模様は、ユニコーンジャーナルの公式YouTubeチャンネルでも公開予定です。チームづくりのコツや、投資したくなる起業家の特徴など、記事では紹介しきれなかったリアルなやり取りが満載です。