突然ですが、クイズです。
「ナマケモノはオナラをするでしょうか、しないでしょうか?」
おそらく、多くの方は「私たちと同じ哺乳類なんだから、オナラくらいするだろう」と思うかもしれません。
しかし動物の専門家たちはこれまで「ナマケモノはオナラをしない」と考えていたのです。
実際にナマケモノがオナラをする様子も確認されてきませんでした。
ところが今回、ついに水風呂に入っていた赤ちゃんナマケモノがオナラをする瞬間が捉えられ、この問題に終止符が打たれました。
ナマケモノはオナラをするのです!
では、なぜ専門家たちは「ナマケモノはオナラしない」と考えていたのでしょうか?
目次
- 「ナマケモノはオナラしない」通説の背景とは?
- 赤ちゃんナマケモノ、「決定的瞬間」を水中で披露
「ナマケモノはオナラしない」通説の背景とは?
ナマケモノは中南米の森に生息する樹上性の哺乳類です。
彼らは1日の大半を木の上でじっと過ごし、活発に動くことなく、食事も近くの葉っぱに頼っています。
そして専門家たちは「ナマケモノのゆっくりとした消化システムと生活スタイルから、体内で発生するガス量もきわめて少なく、それらは腸から吸収され、血流にのって口から呼気として排出されているのだろう」と考えていたのです。
2017年には、動物のオナラに関する科学的知識をまとめた書籍『Does it Fart?: The Definitive Field Guide to Animal Flatulence(=それってオナラするの?動物の屁のフィールドガイド決定版)』が話題となり、その中でナマケモノは“唯一オナラをしない哺乳類”として紹介されました。
この説は一部の動物学者たちの間でも支持されており、“静かなる消化”を象徴するような存在として、ナマケモノは語られてきたのです。

しかし、そうした理解に違和感を覚える専門家もいました。