正常値よりわずか2mmHg血圧が上がるだけでも、脳卒中による死亡リスクは10%、心臓疾患では7%も上昇します。

そのため、たとえ完全に断酒しなくても、「1日2杯未満」に抑えるだけで、高血圧やその合併症(腎臓病、眼の病気、勃起不全など)のリスクを大きく下げることができます。

ある研究では、400万人以上の成人を対象に3〜7年追跡したところ、軽度の飲酒者が禁酒しただけで、アルコール関連のがんリスクが4%減少しました。

重度の飲酒者が中程度に減らしただけでも、リスクは9%も低下したのです。

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Credit: canva

「とりあえず1週間だけ禁酒してみよう」そんな小さな一歩が、体の中で驚くべき変化を起こし始めます。

毎日のようにお酒を多く飲む習慣がある人にとって、断酒や減酒は大きなチャレンジかもしれません。

しかし少しずつでも飲酒の頻度や量を減らしていけば、そのたびに体は確実に応えてくれます。

変化を継続するためには、目標を立て、小さな達成を意識し、アプリなどで記録しながら、周囲の支援を受けることが効果的です。

今すぐに禁酒しなくても、飲まない日を増やすだけでも、未来の自分の健康は確実に守られていくのです。

1日お酒をやめることが、10年後の健康を守る第一歩になるかもしれません。

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参考文献

This Is What Happens to Your Body When You Stop Drinking Alcohol
https://www.sciencealert.com/this-is-what-happens-to-your-body-when-you-stop-drinking-alcohol

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部